2014年6月5日木曜日

【CG】ジェネラリストの潮流 後編

前回のエントリーより随分と間があいてしまいましたが、今回はジェネラリストについて少し紹介したいと思います。

ジェネラリストの採用が海外スタジオでも増える傾向にある昨今ですが、そもそもジェネラリストとは?日本のスタジオと海外スタジオのジェネラリストの違いについて紹介したいと思います。

前回のエントリー「ジェネラリストの潮流 前編」でも少し紹介しましたが、日本で求められるジェネラリストと言うのは、モデリングからコンポまで、全てとは言いませんが、多くの作業を一人でこなすのに対して、海外大手でもジェネラリストというのは、1つのメインスキルに対して、2つ3つのサブスキルを持っているアーティストという印象です。

また、日本でのジェネラリストの運用というのは、個人にショットないしシーケンスをまるまる一任するのに対して、こちらのスタジオ(あくまでも僕の経験の範囲内で)は、分業されたワークフロー、パイプラインをベースにタスクが割り当てられるという印象です。

具体的な例を出すと、今までの海外大手のスタジオというのは、やはり分業をベースに各スペシャリストが作業に当たるというのが常でした。
いわゆる分業制です。今までは分業制で働くアーティストはスペシャリストという印象だったと思いますが、昨今では分業制というシステムを採用しながらも、働くアーティストはジェネラリストという例が出てきました。

今までは一つの背景を制作するにしても、モデリングをモデラーが、テクスチャーは別のテクスチャーアーティストが作業するという感じです。
ところが最近ではENVIROMENT TDと言われる職種やENVIROMENTアーティストと言われるような新しい職種も誕生しつつあります。

要は背景に限り、モデリングやテクスチャー、ルックデブなどを一人のアーティストがこなすという日本の様なジェネラリスト制です。

ただ、日本のシステムとは少し異なるのは、あくまでもシステム的には分業制ですので、自分が担当したモデルを、そのまま自分でテクスチャー、ルックデブまで行うというわけではありません。
他人の作ったモデルにペイントすることもありますし、自分が担当したモデルをそのまま運良く、自分で最後まで仕上げることもあります。
ここは同じようなジェネラリストという扱いでも、少し日本とは異なる部分だと思います。

こちらのスタジオではあくまでもタスク管理は分業制を主体に考え、担当するアーティストがスペシャリストからジェネラリストに変わって来ているというのが正確な表現の仕方かもしれません。

これにはツールの発達により、複雑なこともツールを覚えることで容易に誰でもできたり、今までの資産(インハウスツールやアセット)を流用、再構築して使うために、すべてを1から作り直す必要がなくなってきたなどの理由が考えられます。

特に大手スタジオの場合は、過去のノウハウや資産というのは相当蓄積されていると思います。これらをうまく流用することで、スペシャリストと同等のアセットやシーン構築をジェネラリストでも行えるようになりつつあります。

その反面、スペシャリストの採用、働き方というのは徐々に制限され始め、雇用機会も減りつつありますが、基本的に海外大手スタジオの場合はシステムとして分業制を敷いていますので、職がなくなるということは今のところないと思いますし、エフェクトやリグ、アニメーションなどは、まだまだ個人スキルに依存する部分が多いセクションだと思います。

今後はさらに海外スタジオではジェネラリストの採用、雇用機会というのは増えてくると思いますが、スペシャリストの需要も決して少ないわけではありませんし、先ほども述べましたが、大手スタジオの多くが分業制というシステムでプロダクション運営されていますので、担当するアーティストがスペシャリストか?ジェネラリストか?という違い程度でしかありません。

今後もこいいった流れはしばらくは続くと思いますが、5年後、10年後は定かではありませんし、そもそも分業制やジェネラリスト制などとは全く別のシステムになっているかもしれません。

そういった時代の流れに取り残されないためにも、常にアンテナを外に向け、どういった事態、時代の流れにも対応できるように自分を磨く努力を怠らないようにしなければいけません。

ということで、僕も背景やプロップに限定するのではなく、多少なりともオーガニック系のモデリングについて知識、技術を身につけなければいけないなっという事で、次回はいくつかの書籍を紹介できればと思っています。自分の長所は更に伸ばしつつ、短所を克服する!ように今後は努めたいと思います。

それではまた次回(笑

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