2010年6月22日火曜日

【生活】 海外武者修行 その3 はじめての仕事!はじめての経験!

さて、僕の海外修行体験記も第三回目を迎えました。海外で働いた人なら、誰しもが経験した!経験するだろうことを紹介してみたいと思います。

なれない環境、言葉、文化の中で生活したり、仕事したりと言うのは、自分が思っている以上に慣れるのに時間がかかると言う話を以前ブログで書いたと思いますが、はじめて仕事した時に体験したことを今日は紹介したいと思います。

まず、初めての海外生活で大変だったのが、普段の当たり前の生活を、当たり前にすることが大変でした。僕の語学力不足もあるのでしょうが、言葉は通じないし、何をするにも壁を感じました。
とにかく生活が落ち着かないと、仕事どころではありません。僕の場合は、僕も妻も初めての海外生活だったし、子供も生後8ヶ月程度だったので、本当に普通の生活を取り戻すだけでも大変でした。
生活が落ち着くのに大体1ヶ月ぐらいはかかると思います。それから、ようやく仕事に集中できる環境になります。

仕事も日本と全然違うワークフロー、異なったソフト。多くのインハウスツールなど、環境が日本とまったく違います。日本で当たり前にやっていた事が全然出来ません。CG初心者に戻ったように錯覚すらしました。実は僕は素人だったんじゃないか???って何度も思いました。簡単な修正にも思っている以上に時間が懸かって何度も凹みました。

特に違いを感じたのは日本のようにモデルを作りこむのではなく、シンプルなモデルにディティールはすべてディスプレイスメントで作り込んでいるのには、度肝を抜かれました。。。。
今までモデルで造形していた物を、描かなくてはいけなかったのです。。。。海外では何処も主にレンダーマンベースでサブディヴィジョンを使用していると思うのですが、これが僕にとっては初体験。
(レンダーマンサブディヴィジョンの使用経験はあったんですが、モデルがシンプルすぎて、そこに驚きました。)

他の海外プロダクションが同じようにシンプルなモデルを使っているかは解りませんが、ALの木や草、岩のモデルははサブディヴィジョンかけた瞬間に、けっこう細かいディティールが無くなってしまうので、細かいディティールはすべてディスプレイスメントで作りこみました。
もともとMudboxは触ったことあったんですが、Zbrushは触ったことが無かったので、まずツールを覚えるのに四苦八苦。ツールが使えるようになっても、他のアーティストと同じクオリティを出すのに四苦八苦。
インハウスシェーダーに関しても、ネットワークの組み方が全然日本と違うので、ここでも四苦八苦。
唯一普段と同じように使いこなせたのはPhotoshopだけでしょうか?Mayaに関してもカスタマイズされていて、なかなか馴染めませんでした。
もう!まさに入社したての新入社員の心境でした。それでもやはりツールは道具ですね。使い込んでいくうちに慣れてきて、徐々に思い通りの物が作れるようになってきます。
本当なら残業してでも、作業したり、ソフト覚えたりしたかったんですが、規則で残業は許可が必要だったし、限られた時間で他のアーティストと同じものを作らないといけないプレッシャーはけっこう辛かったですね。
特に僕の入社時期には、プロジェクト自体が過渡期に入っていて、ほとんど時間的な余裕が無かったので、なおさら自分の出来の悪さに凹みました。。。
それでも、何だかんだで色々な事を覚えたり、仕事の環境に慣れたり、ツールが扱えるようになって、他のアーティストと同じようなクオリティが出せるまで1ヶ月以上はかかったっと思います。

生活が落ち着いて、仕事に慣れるまで計2ヶ月ほど費やしました。今考えれば、何をそんなに焦っていたのか不思議に思いますが、初めての事ばかりで、いきなり何でも上手くできる訳がありません。

これから海外転職する人、しようと思っている人も僕と同じように、素人に戻ったような錯覚をすると思います。そんな時は、僕の経験から言えることは慌てずどっしりと構えて、自分のペースで作業するようにして下さい。
いくら焦っても日本と同じようにできる訳ではないです。焦って実力以上の物が発揮される訳でもありません。
慌てず、焦らずどっしりと構えて下さい。先方のプロダクションもスーパーバイザーも仕事はじめて数週間で結果を出せという様な無茶は言わないと思います。
ある程度、試用期間を見てくれると思います。そして、慣れたきてからペースアップ、クオリティアップしていけば問題ないと思います。

っと偉そうなことを言っても、僕自身は焦り慌てふためいて、自分の駄目さに何度も凹み、妻に「俺は駄目だ!」っと何度も愚痴を聞いてもらったり、日本の友達に慰めてもらったりしていたので(^^;
皆さんも同じような心境に陥ったら、僕のブログのことを思い出して頂ければっと思います。

初めてのことで全てが上手く行く訳ないので、失敗は失敗で次へ繋げれば良いと思います。これは自分自身にも言い聞かせていることですが。

あと海外転職を考えている人は、日本語対応しているソフトでも、出きるだけ英語版を使用する方がいいと思います。それだけでも、慣れるまでの時間を相当短縮できると思います。

2 件のコメント:

  1. 北田さんほどで大変な思いはしてないのですが、その気持ちすごくよくわかります。特にこちらの英語がたどたどしいと、相手が妙に丁寧に対応してくれたりして、余計に「自分は駄目なんじゃ?」と思ったりしてしまいます。時間がかかっても、どこで時間がかかったのかうまく説明できなかったりすると、「評価落ちたかな?」とすごく気になりますし。私は、まだ大手での仕事の経験はないのですが、北田さんの苦労話を心にとめて、大手で仕事がもらえたらがんばろうと思います。

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  2. >Melonさん
    僕の場合、大変だったのが家族ですね。特に子供が小さかったので。。。
    仕事では触った事ないソフトばかりで、時間的な余裕がなかったのが、凄くプレッシャーでした。
    何度も「自分は駄目なんじゃ?」「いつクビになるだろう?」ってドキドキしてました(苦笑

    説明もままならなかったし、本当に落ち込みました(T_T)

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